2014年02月05日

パクツイの削除依頼(Twitterへの著作権侵害報告)と、その後の対応

先日、短文投稿サイトTwitter上でされたパクツイを削除してもらったので、その際のやりとり等をご報告します。

・目的、問題意識
どうもTwitter上でのパクツイに対しては「削除してもらえない」「対応するだけ無駄」というイメージが強いようだったので、「んなことねーよ、確かに分かりづらいし手間だけど、きちんと言えば対応してもらえる」ということを伝えたくて、この記事を書いてます。


・素材
今回、被侵害著作物として使ったのは、私のこのツイートです。




対して、侵害していた対象ツイートはこれでした(現在は消えています)。




・方法および結果
上記対象ツイートは、私のツイートを丸々そのまま使ったもので、著作権(複製権(21)、送信可能化権(23T))侵害、また私のユーザーネームも表示されていなかったので、著作者人格権(氏名表示権(19T))侵害にあたることは明らかでした。(かつ、引用、フェアユース等の著作権の制限によっても許されない態様の使用方法であることも、また明らかでした。)

まず、リプライで警告を送りました。これで消してくれると手間がかかりません。




しかし、今回は無視されました。翌日以降も削除されず、このユーザーは新しいツイートを投稿し続けていました。


そこで、次に、Twitterに対して著作権侵害報告を行い、削除してもらうことにしました。

Twitterに対する著作権侵害報告は、他の違反申告と異なり、対象ツイートの画面から飛ぶ、一般の違反申告の画面からは行えません。
利用規約9条(著作権ポリシー)の下に、著作権侵害報告フォームへのリンクがあります。
もしかしたら、
「お前らなんでもかんでも著作権侵害って言うんじゃねえ。規約くらい読んでから報告しろ」
という意図なのかもしれません。

フォームへ飛ぶと、まず、あなたは著作者または正当な代理権を有する代理人か、それ以外か聞かれます。著作権侵害を主張できるのは基本的に著作者、著作権者ですから、赤の他人は弾かれて別方面へ飛ばされます。

dmca01.jpg


次に、個人情報、侵害情報等を入力していきます。個人情報は、Twitterに登録してあるものはそれと合わせましょう。本人確認はされないようです。私は念のため英語で記入しましたが、日本語でも問題ないらしいです。

dmca02.jpg


侵害情報は、正確かつ簡潔に。
[それ以外]を選び、著作物のツイート、著作権を侵害している対象ツイートの順に入力します。

dmca03.jpg


最後に、米国法の規定を理解していること、不法な報告でないこと等を誓約する入力欄がいくつかあります。チェックをつけ、英文をコピペするなどします。

dmca04.jpg


これで一旦は完了です。


翌日、Twitterの担当者からメールが来ました。英語で。
(ダメだったのかな…英語とは面倒な……)
と思いながら英文を自動翻訳に放り込んで読みました。どうやら、おおむねこのようなことを聞いているようでした。

「対象ツイートはフェアユースにより保護されないことを確認してください。」
「著作権侵害の例に挙げた類型から外れていますが、これは本当に著作権の問題ですか?」

1点目(フェアユース)は、対象ツイートはフェアユースでないことが明らかでしたから、「間違いありません」とコピペで返しました。

(実は、一点だけ懸念がありました。単なる時事報道は著作権が制限されます(日本法では41条)。単なる時事を制約のある紙面で端的に伝える場合、同じような表現になってしまうと考えられたからです。今回の私のツイートは、線路への人の転落という時事報道を含んでいたので、これに引っかかると言われる可能性はありました。
もっとも、私のツイートには私の感想も含まれており、単なる時事報道に過ぎないとはいえませんでした。かつ、著作権が制限されるとは言っても、氏名表示を欠いてはいけませんので、その点でも、対象ツイートはアウトでした。
そこで、面倒を避けるため、この点には触れないことにしました。)

2点目(これは本当に著作権の問題ですか?)は少し警戒しました。
企業は、想定された類型から外れたトラブルには慎重に対応します。しかも、パクツイのような、明白で、頻発しているものが類型化されていないということは、Twitterは原則としてパクツイを著作権侵害と考えていないのでは、と疑われました。

著作物をデッドコピーすれば確実に著作権侵害ですが、コピー元が著作物でなければ著作権侵害にはなりえません。そして、短くて誰が書いても同じようなものしかできないような表現は、著作物にならないことがあります。例えば、「長年のご愛顧、まことにありがとうございました。社員一同、心より御礼申し上げます。」といった文章が挙げられます。誰が書いても同じような表現になってしまうのに、誰かに何十年も独占させては、表現の幅が極端に狭められ、著作権法の趣旨である文化の発展にもとる、というわけです。
ツイートは140字以下と短いので、Twitter社は原則としてツイートを著作物と見ていないのではないか、と疑いました。(結果的には、今回はそんなことありませんでしたが。)

これに対して、表現豊かであれば、短くても著作物性が認められやすいです。俳句が典型例としてよく挙げられます。また、日本語中国語等は、漢字が表意文字な関係で、英語などに比べ、字数が少なくても多くの意味を盛り込みやすいです。
そこで、今回私は、これらを引き合いに出しつつ、私の当該ツイートは、思想または感情を創作的に表現したもので、著作物に当たる旨を主張しました。

これらを、自動翻訳を頼りに英語で書き、返信しました。


数日して、当初の私のツイートへのRTも収まった頃、再び担当者さんからメールがありました。

要約すると、対象ツイートを非表示にしました、とのことでした。
確認すると、確かに消えていました。これで一件落着です。めでたしめでたし。


・考察、気になった点
1.英語かよ
今回失敗したと思ったのは、Twitterからのメールが英語だった時です。私は英語ができません。著作権法の用語を含んだメールを曲がりなりにも読み、しかも書かなくてはいけません。非常に苦労しました。
なぜ英語で来たのか。最初にフォームを打ち込む際に、見栄を張って英語で打ち込まず、日本語で入力しておれば、メールも日本語で対応してもらえたのではないか。と一瞬考えましたが、そういえば以前別件で日本語で問い合わせた際も、返答は英語できてたような気がするので、そんなもんかもしれません。誰か知ってたら教えてください。

もっとも、やりとりはかなり機械的です(Twitter側の送ってきたメールは間違いなく全部テンプレです。Twitterのユーザー数を考えれば当たり前ですが)。著作権侵害に当たることがツイートだけ見てハッキリしていて、追加で説明が要らないような場合は、こちらもコピぺで結論だけ返せば十分だと思います。
たとえば、
「対象ツイートはフェアユースにより保護されないことを確認してください。」
という文章があったら、その文章の適切な部分をコピぺして、
「対象ツイートはフェアユースにより保護されません。」
と返信すればよいかと思います。
「著作権侵害の例に挙げた類型から外れていますが、これは本当に著作権の問題ですか?」
と聞かれたら、
「これは本当に著作権の問題です。」
でOKです。たぶん。向こうも、下手くそな英語で書かれた文章読まされるよりは、こっちのが処理が楽でしょう。たぶん。
(英文の例おいときますね。
He copy & paste my tweet that is protected by copyright. His tweet is absolutely not protected by fair use.


2.パクツイは普通ダメだろ
一番疑問だったのは、Twitterの提供する報告フォームで、パクツイやそれに類する行為が類型的に扱われていなかったことです。
日本でTwitterを利用していて、画像の無断利用に次いで多く見る著作権侵害が、パクツイです。
確かに、パクツイの全てが著作権侵害ではありません。しかし、被害は広範です。日々、様々なパクリbotが、たくさんRTされ、favstar等に拾われ注目されたツイートを片っ端からコピペして、客寄せに使っています。たくさんRTされるようなツイートには個性があり、ほとんどは著作物性が認められると言っていいです。
なのに、パクツイを侵害類型化せず、いちいち面倒で時間のかかるやりとりをさせるのは、保護が十分でないといえます。私も、「これはいい経験・ネタになる」と思わなければ、わざわざ削除させようとは思わなかったでしょう。

3.フェアユース
米国法なのはまあいいでしょう。
問題は、報告フォームにも遵法関係のチェックリストやコピペ欄があったのに、そこにはフェアユースのfの字もなく、後のメールで聞いてきたことです。
フェアユースは一般条項です。いつどこで問題になるか分かりません。つまり、どんな報告に対しても、「この対象ツイートはフェアユースで保護されていませんか?」と聞いて、報告者に責任転嫁、もといトラブルの予防を図る実益があるはずなのです。
なぜ、最初から聞かず、確認メールではじめて持ち出したのか。よくわかりません。


・結論
パクツイは、ちゃんと報告すれば消してもらえる。ただしめんどい。
posted by シャイン at 00:11| Comment(5) | TrackBack(0) | 知識・雑学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
面白い記事なので、ツイッターのほうも拝見させていただきました。
少しだけ気になった点が、鍵アカの引用やリツイートもツイッターの規約違反に当たりますので、消されたほうが無難かと存じます。
Posted by けい at 2014年06月03日 17:01
コメントありがとうございます。
>鍵アカの引用やリツイートもツイッターの規約違反に当たります
「引用」という言葉がツイッター利用規約のどこにも明記されていないことをご確認の上、「引用」という言葉の法的意味をお調べになり、なお「鍵アカの引用」なるものが規約の特定の条項に違反すると解釈できるか、その解釈には根拠があるか、考え直されたほうが無難かと存じます。
Posted by Shine at 2014年06月04日 21:30
ツイッターで鍵垢がもうけられてる意味わかっていますか?鍵垢のツイートをフォロワー外に無断で晒すのは、人によっては、あなたのように運営にお願いしてしかるべき措置とられても仕方ないかと。
他人のツイートや画像を引用するにしても、本人の許可とらずにやっているなら、されている当人からしたら、無断転載と変わりません。
所謂本人に無断でIDだけのせて、垂れ流すパクツイbotとやってることはかわりませんから
Posted by けい at 2014年08月24日 19:56
ご心配いただきありがとうございます。
事実関係とツイッター利用規約をよくご確認ください。鍵アカウントからの非公式RTにつきまして、ご指摘のような事実はありません。事実関係と規約を改めてご確認ください。
その上でまだご納得いただけなければ、幸い私が本文で削除依頼の方法を説明しておりますので、そちらを利用してみてはいかがでしょうか。
Posted by Shine at 2014年08月25日 11:27
>>単なる時事報道は著作権が制限されます(日本法では41条)

この日本では41条に相当するという補足は誤解があります。

第41条は時事報道のために他者の著作物を無断で利用できる例外です。制限されるのは報道の著作権ではなく、報道に利用した著作権です。

しいて第十条二項の「事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項第一号に掲げる著作物に該当しない」に相当します。

しかし、この規定も著作物でないものの具体例であって、著作物性の有無は第二条一項の著作物の定義が全てとなります。
Posted by ななし at 2016年11月13日 19:58
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